法的トラブルが起こる以前に,その発生を防止する,または,生じてしまった場合でもその問題や損害が最小限で済むように,予防的手当を施すことを予防法務と言います。
予防法務は,法的問題が現実に生じる以前にこれを防ぐことで,問題を最小限に止め,結果として取引損失はもとより,弁護士費用や担当者の人件費などのトラブルに付随するコストを抑制することに繋がります。
以下のような問題を抱える場合には,予防法務の手当を施すことが重要となります。
- 一度,当社が抱えている取引案件に潜む法的リスクをチェックしたい。
- 売掛の回収に疑問がある相手先があるが,何か手当てできないか。
- 以前,成果物を納品したのに,支払いの一部を拒否された経験がある。同じ轍を踏みたくない。
- 契約書に問題があることに気づいたが,既に契約してしまっている。もう為す術はないのか。
- ある問題が浮上するかもしれないが,そうなる前にできることがあるならしておきたい。
上記のとおり,法律問題については,問題が深刻化しないうちに,できるだけ早期に対処することが重要です。
問題が深刻化すれば,時間と費用のコストが多大になる危険があります。また,早期の段階であれば,取りうる選択肢も多くあるかもしれませんが,問題が進行すれば,これらの選択肢は既に取りえない,ひいては手遅れだということにもなりかねません。
そのため,上記のような場合には,できるだけ早く専門家に相談し,安いコストで取りうる手段についてアドバイスをもらい,対処することが適切な場合が多いでしょう。
私は,予防法務の重要性に対する認識が浸透しているイギリスでの留学・法律事務所研修の経験から,今後日本の中小企業のビジネスの発展には,特にこの予防法務が重要な役割を担うと感じています。