日英専門分野についての考え方
皆様,こんばんは。
週末ですね。良い週末をお過ごしください。
さて,英国ソリシターの話題です。
イギリスではソリシターの専門分野はかなり細分化されています。
クライアントからは必ず専門分野を聞かれます。
また,ソリシターからも「取り扱い分野は1つか2つであるべきだと思う。それ以上は研究しつくせないし,実務もできない。もし何でもやっている,幾つもやっていると言えば,クライアントはこのソリシターは得意なものはないのだと判断すると思う。」と言われたことがあります。
もちろん,日本でもこういう考え方はありますし,私もそうであるつもりでおりますが,イギリス,少なくともロンドンと東京を比べると大分様相は異なると感じています。
ロンドンの中心部には,日本では珍しくないあらゆる案件をこなす(例えば,中小企業の社長の相談から,離婚,交通事故,債務整理,管財事件,刑事事件までというような)というソリシター事務所はかなり少ないと思います。
もちろん,逆に刑事専門ソリシターのみで構成された,24時間対応の弁護士事務所というようないわゆるブティック型の事務所は東京よりも数多く存在しています。
つまり,ソリシター自身は何かに特化した専門性を有しており,後は,同じ専門分野で結集する(ブティック型)のか,違う専門分野の弁護士が集合する(デパート型,ワンストップサービス型)のかでわかれているというおおまかな現象が見られるのです。
ソリシターからは,弁護士市場が成熟したため,顧客のニーズを満たすためにこのような流れが起こったと聞いたことがあります。
他方,東京では,中心部でもまだまだあらゆる案件を取り扱う弁護士もたくさんいらっしゃいます。お一人のところもありますし,数人が各自あらゆる分野に対応するという事務所もあります。
このあたりは,事情がかなり異なると感じました。
英国では,専門外の分野の案件は受けてはならないという旨の規制もあったりするので,非常に勉強になりました。
どちらが良いということではありませんが,私は,力を分散せずに,より一層専門性を磨いて,その分野での顧客様に最大の満足を与えられるように努力していきたいと考えています。
読んで下さりありがとうございます。
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