片山法律会計事務所 弁護士 菊地正登
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ネットショップ・Eコマースサイトを運営している事業者は,特定商取引法という法律の適用を受けます。
私は,ネット販売・Eコマースの事業者の法務サポートを得意としています。
この特定商取引法は,ネットショップ・Eコマースを行う事業者に対し,やるべきこととやってはいけないことについて規定しています。
今回は,この「ネットショップ・Eコマースの運営事業者がやるべきこととやってはいけないこと」についてわかりやすく解説します。
特定商取引法は,ネットショップ・Eコマースを運営して,商品を販売したり,サービスを提供したりする事業者に広く適用されます。
ただし,企業と企業との取引(B to B)を行っている事業者には適用されず,あくまで事業者と消費者個人(B to C)との間の取引を行っている場合に適用されます。
また,自社サイトで,海外に住む外国人に対してネット販売しているような場合にも特定商取引法は適用されません。
① 販売価格
これは,メーカー小売希望価格などの価格を記載するのではなく,実際に貴社が販売している商品やサービスの販売価格を記載する必要があります。
また,商品の場合に,送料が販売価格に含まれていないのであれば,送料についても記載が必要です。この場合,「送料別」などの抽象的な記載では足りず,全国一律の金額ではない場合には,数量や商品サイズ,送付先地域などで分けて細かく金額を記載しなければなりません。
② 代金の支払時期と方法
顧客がいつ商品やサービスの代金を支払わなければならないかを明記しなければなりません。
また,支払方法についても記載します。例えば,クレジット払い,代引き,銀行振り込みなど複数の支払方法が存在するのであれば,すべて記載しなければなりません。
③ 商品の引渡時期・サービスの提供時期
顧客がいつどの段階で商品やサービスの提供を受けられるのかを記載する必要があります。例えば,「代金支払いの後○○営業日以内に発送します。」などと記載します。
④ 商品の購入申込みの撤回・解除・返品
特に返品については注意が必要です。ネット販売(通信販売)については,特定商取引法上,いわゆるクーリングオフ(買うかどうかを熟慮するのが困難な状況下で商品などを購入した場合に,一定期間,理由なく消費者が一方的に契約を解約できる権利)の制度はありません。
もっとも,特定商取引法は,消費者保護の観点から,ネット販売(通信販売)においても,事業者が返品をしない旨を表示していない場合は,顧客が商品を受け取ってから8日以内であれば,契約を解除し,商品を返品できるとしています。
そのため,事業者が,(問題のない)商品について返品を拒否したいのであれば,「欠陥品である場合を除き,商品の返品はできません。」などと記載しておく必要があります。
こうして記載しておけば,商品に欠陥があるなど貴社に問題があるという場合でなければ,返品に応じる必要はないことになります。
⑤ 事業者の名称・住所・電話番号
事業者の名称については,法人代表者の氏名を記載するのが一般的ですが,ネット販売の担当責任者の氏名でも大丈夫です。
⑥ ウェブサイトにより広告をする場合には,代表者名またはサイト販売業務についての責任者の氏名
⑦ 申込みについて有効期限があれば、その期限
⑧ 販売価格、送料等以外にかかる費用があれば、その内容と金額
⑨ いわゆる瑕疵担保責任についての記載
商品に隠れた瑕疵があった場合に,どのような対応になるのか,これらについて法律とは異なる取り扱いをしたい場合,具体的に記載する必要があります。
隠れた瑕疵というのは,普通の人が通常の注意力をもって商品を調べても発見できないような欠陥というような意味です。
商品が到着して調べたら,欠陥品だったといって顧客からクレームが来た場合の処理方法などを記載します。
例えば,商品に欠陥があることを示す証拠(写真)を送ってもらい,それが欠陥だと判断できる場合には,返品を受け付けますなどと記載することになります。
顧客が自らの不注意で商品を壊した場合などは事業者に責任はありませんが,こうした当然のことも不要なクレームを避けるため記載する場合もあります。
なお,瑕疵担保責任については,例えば,事業者間の取引(B to Bビジネス)などでは,全面的に免責と定めることもできるのですが,B to Cのネット販売では,瑕疵担保責任を全面的に免責とするのは消費者契約法という法律によりできないことになっています。
⑩ ソフトウェアに関する取引の場合はソフトウェアの動作環境
ソフトウェア販売の場合,そのソフトウェアがどういう動作環境により動作するのかについては書かなければなりません。
⑪ 商品の販売数量や薬務の提供に条件がある場合はその条件
⑫ カタログなどを送付する場合は有料なのであればその金額
⑬ 電子メール広告をするのであれば事業者の電子メールアドレス
なお,電子メールで広告を送る場合には,この表示義務以外にも充たさなければならない条件がありますので,後述します。
誇大広告という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが,これは,要するに事実と異なる大げさな広告のこといいます。
具体的には,「著しく事実と異なる表示」または「事実よりも著しく優良もしくは有利であると誤認させる表示」をすることをいいます。
下記の事項について虚偽の事実を記載すると,誇大広告となり違法となる可能性があります。
また,ウェブサイトで買い物かごなどを用意しており,顧客がウェブ上で購入ボタンを押して注文するというような方式を採用している場合に,最終的に顧客が注文内容を確認したり,訂正できたりするページを用意せず,突然商品の購入決済が行われてしまうようなウェブサイトは,違法になります。
このような方法では,顧客が自由な意思で購入したものではなく,不当な方法で申し込みをさせていると考えられるからです。
このような事態をさけるには,きちんと最終確認ページを作り,顧客が注文を取り消したい,変更したい場合にできるようにしておかなければなりません。
ネット販売事業者が顧客や潜在顧客に対して,電子メールによって広告宣伝をしたいという場合に守らなければならない規制があります。
現在の特定商取引法では,以前と異なり,いわゆるオプトイン規制という厳しい規制がかけられています。
ここで,オプトイン規制とは,原則として電子メールによる広告は行ってはならなず,消費者が自分は広告メールを受け取りたいと意思表示した場合にのみ,その者に広告メールを送って良いというものです。
つまり,希望者を広告リストに入れる(イン)という発想です。
反対に,オプトアウト規制というのは,原則として電子メールによる広告は行ってよいのですが,消費者が自分は広告メールを受け取りたくないと意思表示をした場合には,その者にはメールを送ってはならないという規制です。
こちらは,拒否する者を広告リストから除外(アウト)するという発想です。
原則送って良いのか,ダメなのかで規制の程度が異なっています。
現在は,電子メール広告を送りたい場合,事前に消費者の承諾を得ていないと送ることができないことになっています(オプトイン規制)。
そのため,ウェブサイト上などで広告メールを受け取るかどうか消費者に確認することが必要となります。
なお,チェックボックスなどを利用する場合に,デフォルトでチェックが「希望する」という「はい」となっていて,希望しない人はチェックを外すという手法をとる場合,それがわかりにくいということのないように注意する必要があります。
色分けして目立たせる,太字にするなど,そこにメール受信の可否をチェックする箇所があることを誰でもわかるようにする必要があります。
なお,実際に広告メールを配信する際には,電子メールに配信を停止する場合の連絡先を記載しておく必要もあります。
法律を離れてビジネス的観点からも,配信解除が容易になっていたり,メルマガなどの配信請求がはっきりわかりやすくなっていると,「この事業者は信頼できる。」というプラスの効果もあると思いますので,このあたりはだまし討ちのようなことはやめて,消費者目線でサイトを作ることが重要です。
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